
韓国の白バイは、警察の交通部門に所属し、都市部や幹線道路での交通取締りを中心に活躍しています。日本とは異なる装備や車種も特徴的です。
韓国における白バイの役割
韓国の白バイは「交通警察部隊」に所属しており、主に都市部の交通整理、交通違反の取り締まり、VIPの先導や緊急車両の支援といった業務に従事しています。高速道路や主要幹線道路では、渋滞緩和や事故現場での迅速な対応など、機動力を活かした任務が求められます。
韓国の警察は中央集権的な構造を取っており、白バイ隊員の配置や運用も国家警察の管理下で行われています。特にソウル市内や主要都市では、白バイの存在感が大きく、日常的な交通統制にも深く関わっています。
歴史と発展の経緯
韓国で白バイが本格的に導入されたのは1960年代以降です。経済発展とともに交通量が増加し、自動車の普及とあわせて交通取り締まりの必要性が高まったことが背景にあります。
1970年代以降には、日本やアメリカから導入されたバイクをもとに、交通警察向けの白バイ部隊が拡充され、訓練制度や装備面も整備されてきました。近年では都市部の交通密度の高さに対応するため、白バイの出動件数も増加傾向にあります。
使用車種と特徴的な装備
韓国の白バイに使用されている主な車種は、BMW R1200RT、ホンダ ST1300、ヤマハ FJR1300などの大型ツアラータイプです。これらのバイクは長距離運転や高速走行にも対応しており、安定した走行性能と機動力を兼ね備えています。
白バイには、サイレン、回転灯、拡声器、GPS、通信装置といった基本的な警察装備のほか、事故記録用のカメラや違反データ記録システムが搭載されており、現場での即時対応が可能です。また、韓国の白バイは車体色が白を基調としつつ、青と赤のストライプで識別されるデザインとなっており、視認性も重視されています。
訓練と隊員の育成制度
韓国の白バイ隊員は、厳格な技能訓練を受けたうえで現場配属されます。警察学校における基礎訓練を終えたのち、交通部門への配属希望者の中から選抜され、白バイ専門のライディング訓練を受講します。
訓練では、正確なブレーキングやバランス走行、高速走行中の障害物回避など、高度な技術が求められます。また、危険予知トレーニングや事故対応のロールプレイなども行われており、実践力を重視したカリキュラムが特徴です。
韓国ならではの運用スタイルと課題
韓国では交通量の多い地域が多く、バイクの機動力を活かした巡回が重要視されています。特にソウルなどでは、通勤時間帯の交通整理に白バイが積極的に投入されており、交通警察としての機能をフル活用しています。
一方で、道路事情の複雑さや交通マナーの課題もあり、白バイ隊員の負担は大きいのが現状です。近年では女性白バイ隊員の登用も始まっており、多様性と働きやすさの両立が課題となっています。