ホーム » 白バイの活躍 » 白バイ隊員がジェットヘルメットを選ぶ理由

白バイ隊員がジェットヘルメットを選ぶ理由

警視庁の白バイ隊員は、なぜフルフェイスヘルメットではなくジェットヘルメットを採用しているのでしょうか。その背景にある理由を詳しく見ていきましょう。

視野の確保とコミュニケーション性

白バイ隊員の業務は、単に交通違反の取り締まりだけではありません。マラソンやランニングイベントの先導、要人警護、交通安全教育など、多岐にわたります。そのため、広範囲の視野を確保し、ドライバーや歩行者とのコミュニケーションを円滑に取ることが重要になってきます。

フルフェイスヘルメットは頭部を完全に覆うため、視野が狭くなる傾向にあります。一方、ジェットヘルメットは顔面が露出しているため、周囲の状況をより把握しやすく、必要に応じて声をかけることができます。違反車両の運転手と会話したり、スピーカーを使って周囲の注意を喚起したりと、ジェットヘルメットは白バイ隊員の業務遂行に適していると言えるでしょう。

視野の広さは、交通違反の取り締まりはもちろん、イベントの先導や要人警護といった業務においても重要な要素です。ドライバーや歩行者とのコミュニケーションが取りやすいことも、隊員の活動を円滑に進める上で大きな利点となります。

長時間の快適性

白バイ隊員の勤務は、時に長時間に及ぶ過酷なものです。そのため、ヘルメットの重量も大きな要因となります。

フルフェイスヘルメットは頭部全体を覆うため、構造上重量が重くなりがちです。一方、ジェットヘルメットは顔面部分のガードがないため、軽量化が図れます。長時間の着用でも疲労が溜まりにくく、隊員の負担を軽減することができます。

また、高速道路などでの走行時には、風切り音の問題も気になるところ。フルフェイスヘルメットは空気抵抗が大きいため、ジェットヘルメットに比べて騒音が大きくなります。これも隊員の集中力を阻害する要因となりかねません。

長時間の勤務を強いられる白バイ隊員にとって、ヘルメットの重量は大きな問題となります。軽量なジェットヘルメットは、疲労の蓄積を抑え、快適な業務遂行を可能にしてくれるのです。また、高速走行時の風切り音の問題も解消されることで、隊員の集中力を維持することができます。

フルフェイスとの違い

フルフェイスヘルメットは、頭部全体を覆うため、転倒時の安全性が非常に高いのが特徴です。顔面への衝撃を効果的に吸収し、重大な外傷を防ぐことができます。

一方、ジェットヘルメットは顔面が露出しているため、フルフェイスほどの安全性はありません。しかし、白バイ隊員の業務を考えると、視野の確保やコミュニケーション性、長時間の快適性などの要素が重視されるのが実情です。

フルフェイスヘルメットは、一般的なバイク走行において最も安全性の高いタイプと言えます。しかし、白バイ隊員の業務は一般のバイク走行とは大きく異なります。視野の広さやコミュニケーション性、長時間の快適性といった要素が重要視されるのは当然のことと言えるでしょう。

ヘルメットの選択は、単に安全性だけでなく、使用目的や着用環境、ユーザーの要望など、様々な要素を総合的に勘案して決められるべきです。白バイ隊員の場合、ジェットヘルメットがその最適解であると言えるのです。