スズキGSF1200は、スズキが製造したバンディットシリーズのひとつで、1990年代、他メーカーがビッグネイキッドで成功を納めている中、やや遅れて1995年に投入されたのがGSF1200です。
ライバルがツインショックを装備した伝統的なジャパニーズ・スタンダード・スタイルだったのに対し、GSFはリンク式モノショックを備えた前傾シェイプのシルエットが特徴でした。
1996年末には日本メーカーとして初となるABS搭載車が登場しています。欧州では人気でしたが、国内ではあまり販売台数は振るわなかったこともあり中古車市場ではタマ数がほぼない状態です。
エンジン
油冷並列4気筒エンジンを搭載し、排気量は1,156ccで、最高出力は97ps/8,500rpm、最大トルクは4,000rpmです。
スロットルをひねるだけで最大トルクを発生する4,000回転に到達する低速トルク型。油冷独特の骨太な回転フィールが持ち味で、アクセルを開けると物凄い加速が得られました。
重量もリッターネイキッドとしては軽量な208kgに抑えた車体もあいまって、アクセルをラフに開けるとパワーで前輪が簡単に浮いてしまうほどです。
油冷は水冷のようにラジエーターやウォーターポンプなどの補器類を必要としないため、エンジン自体を軽量コンパクト化できるメリットがあります。
スズキはこの油冷エンジンでル・マン24時間レースや全日本TT-F1クラスで3連覇を果たしました。
フレーム
アルミ製の双側シャーシを採用しています。
サスペンションはスポーツ性を重視したモノショック(1本サス)で、独自の路線ともいえる装備です。
前後ともにディスクブレーキを採用しています。
外観
バンディットシリーズの中でも、比較的大柄で重厚感のあるスタイルが特徴的です。
GSF1200は、高速道路でのツーリングに適したツアラーとして人気がありました。
また、その高い出力と扱いやすさから、スポーツバイクとしても楽しめることから、幅広いライダーに支持されていました。
生産は2006年に終了しているため、新車は入手できません。中古車市場での取引が一般的です。
市販車と白バイ(GSF1200P)との違い
GSF1200Pは、白と青のパトロールカー用カラースキームが採用されています。
警察装備としてサイレン、無線などの装備が追加。
市販車と同じエンジンを搭載していますが、白バイは排気量規制が緩和されており、より高いパフォーマンスを発揮するように設計されています。
全国配備されなかったため、見たことがない人は多いかもしれません。