ダイネーゼが展開している完全ワイヤレスで稼働するエアバッグシステムSmart jacket(スマートジャケット)が2022年12月1日より警察庁の交通機動隊(白バイ隊)で正式採用されました。
このスマートジャケットはMotoGPで採用されているダイネーゼのワイヤレス式エアバッグシステム「D-air」のテクノロジーを搭載した汎用型ベストです。
スマートジャケットはアウターの上、または中に着ることができ、エアバッグの動作にバイクとケーブルを接続する必要がありません。通気性に優れていて折りたたむことも可能です。
IP54に準拠する防じん防水性があるため、雨天時でも利用できます。
スマートジャケットの特徴
スマートジャケットはハードプロテクターを使用しておらず、エアバッグで衝撃を吸収する仕組みです。
ダイネーゼが25年以上にわたって公道やレースでエアバッグの研究を重ねてきました。スマートジャケットには7つのセンサーを搭載しており、センサーから毎秒1000回もモニタリング。
センサーはスリップダウンやハイサイド、物や車両との衝突、後方からの追突などを瞬時に感知して、エアバッグを展開するか判断します。
センサーにはGPSも含まれていて、エアバッグの誤動作を抑制し、展開のタイミングを適正化しているのが特徴です。
満充電からの駆動は26時間以上で、胸元のボタンを留めることでスタンバイ状態になります。
ダイネーゼのエアバッグ技術
スマートジャケットから展開されるエアバッグは、バックプロテクター7枚分、チェストプロテクター8枚分の強度があります。
エアバッグと聞くと膨らんだ風船のように柔らかい印象を持つかもしれません。
しかし、スマートジャケットは冷媒ガスによって起動したエアバッグはとても硬く、押してもたたいてもへこむことはなく、エアバッグ内部で空気の移動は起こらないようになっています。
それは、ダイネーゼが特許を持つマイクロフィラメントという繊維素材が可能にしています。
エアバッグ内部に敷き詰められたマイクロフィラメントは、エアバッグが起動し冷媒ガスで膨らむことでピンと張り、空気移動の余地をなくすことで従来のプロテクター以上の強度を生み出すのです。
エアバッグの厚さは5cmもあり、衝撃から守ってくれます。
価格は税込みで149,600円と手軽に試せる価格ではありませんが、白バイ隊が採用したということは安全性や機能性は信頼できるものです。
スマートジャケットを着ればどんな運転をしてもいいというわけではありませんが、バイクに乗る機会が多い方、サーキットで使っている方にはぜひ試してほしい一品です。